「好きな街」というお題があったので、自分の地元である「綾部市」をテーマに書いてみることにします。
綾部市は、京都府の北部に位置している人口3万人の市で、舞鶴市と福知山市の間に挟まれています。これといった観光名所がない田舎なので府内でも知名度は低いけれど、グンゼの本社があったり、合気道発祥の地だったり、トンネルを貫通している府内最大級の円墳があったり、地味に見るところはある不思議な街です。
市の面積のほとんどは山林で、市街地が市の東部に広がっています。盆地地形で、四方を200メートル級の山に囲まれた低山地帯です。生活に困るような田舎ではないですが、市の中心部から30分ほど山奥に行くと、「上林」というまんが日本昔ばなしに出てくるような秘境が広がっている地域があったりします。いわゆる限界集落ですが、最近は新しく移住してくる人も多いみたいです。
京都あやべ奥上林(おくかんばやし) | 奥上林地区活性化実行委員会ウェブサイト
綾部のどこが好きかと言うと、田舎の具合が程よくて好きです。住む場所にもよるけど、そこまでど田舎、というわけでもないので、「程よい田舎」だと思っています。京都縦貫自動車道に乗って30分ほど走れば天橋立に行けるし、20分ほどで舞鶴市の軍港や海も眺められるし、アクセスはちょうどいいのではないかなと思っています。ただやっぱりマイカーは必須だし、電車のアクセスがやや不便なのと、京都市まではかなり遠いですが。
よく思うのは、空気や景色がきれいなこと。「山紫水明の地」とよく表現されることがあります。
さんし-すいめい【山紫水明】の意味
自然の風景が清浄で美しいこと。日の光の中で山は紫にかすみ、川は澄みきって美しい意から。
朝、川辺に行ってみるとまさにその通りだなあ、と思うことがよくあります。特にこの時期、朝に立ち込める霧や、霧が晴れて山々のシルエットが映し出される様子だったりが、素朴でありながらも美しい。写真のシチュエーションは違いますが。
ゆったりと流れる自然の四季を味わえるところが、自分の好みに合っている場所だなと感じます。星もよく見えて、天文館パオという施設では国内最大級の反射望遠鏡が設置されています。規模は小さいけれど、自然が楽しめる環境が整っています。
今年は雪がよく降ったので、雪景色も楽しめました。
あと、田舎なのでどこでも散歩できるのもいいです。人がいない道をゆっくり散歩するのが楽しい。空が広いので、空をじっくり眺めながら散歩することができるし、あまり人目を気にしなくていいので、気持ち的にも楽です。
一番好きな景色は、寺町沿いに広がる由良川の景色です。山陰本線の踏み切りがあるので、電車で通るたびにこの景色を眺めることができます。「丹波茶屋 ゆらり」というお店が川沿いにあるのですが、そこからのロケーションはいつ見ても味わい深いです。右手に見える、街のシンボルである「新綾部大橋」もお気に入りの場所。
川沿いの景色を眺めながら食べる「ゆらり」の唐揚げは美味しくて、昔から好きです。昔はよく家族で食べに行ったなあ。
こちらは旧綾部大橋。狭くて小さな橋ですが、ちゃんと車も通れます。天気のいい日は橋の下をくぐりながらカヌーを楽しむ人たちなんかがいて、のどかです。
病気になってから、改めてこの街の良さに気づけた気がします。流れる時間がのんびりしていて、移りゆく自然が美しい。これからもこの街を好きでいたいですね。
最後に、私の撮る写真はあまり魅力が伝わってないと思うので、市の写真を見ることができるページのリンクを貼っておきます。