病気がもたらしたこと

病気がもたらした影響は、良くも悪くも自分にとって大きいものばかりである。大それた病気でもなくて、ありふれた病気なのに、ここまで自分にとって影響が大きいとは思っていなかった。いままで、病気になるなんてなにひとつ考えずに生きてきて、根拠もなくそれがずっと続くと思っていたから当たり前ではある。

2週間ほど前まで、本当に精神的に滅入ってしまって、いままでで一番心理的には苦しかったかもしれない。冗談ではなくて、本当にこのまま生きていてどうなるのか、無価値な人間ではないのか、消えたほうがいいのではないのか、と思ってしまったのである。そう思った自分にショックを受けたし、どうしたらいいのか分からなかった。一瞬だけでも、ゴールが「消えること」のように思えてしまった瞬間があったことに、あとから恐怖を抱いた。いまこうやって書くことができているから、もちろんいまはそんなことは思ってはいない。

毎日を自分の心配だけで生きているうちに、世の中は動いているし、なんで自分はこんなところで立ち止まっているのだろう、と思ってしまうのである。病気のせいだから仕方ない、とは思えなくて、自分も何かしていなければ置いていかれそう、と変な焦燥感に掻き立てられる。だからTwitterを見たり、世の中の動きをずっとチェックしていた。ただ単に寂しいから、世の中と繋がっていなければ余計なことを考えて不安だから、というのもある。

しかし、悪い影響ばかりではない。自分のペース配分が間違っていたことを教えられているようで、その分加減をすることができるようになった。涙を流すのは恥ずかしいことではなく流したほうがいいことも分かった。病気になってもデザインは続けたいものであることも分かった。確認できたことはいっぱいあると思う。あとはそれを確認しながら、少しずつ元の生活に近づけていく作業を重ねていくことを頑張るのみだと思う。1年近く病気と付き合って、もう怖いものではないと思い始めることも少しずつ出来てきている。

リハビリに、と思ってデザインしていたものが他の人から思いもがけず褒められたりして、自己肯定感も再び取り戻すことができた。やっぱり、自分はデザインをしていないとダメな気がする。別の道を考えることももちろんあるけど、もしそうなることがあったとしても、デザインは続けていきたい。本当に自分がやりたいことはそれなのである。

ちょっとした決意表明的なものでした。