アイドルとは

昨日、SMAP×SMAPの最終回を見た。朝から今日はスマスマの最終回だから見なければ、と思っていたのだけど、時計を見るとすでに開始時刻を過ぎていた。リビングに行くと、当たり前のようにテレビのスイッチが入っていて、昔のSMAPの映像が流れていた。

延々と流れ続ける過去の映像を見て、SMAPってこんなグループだったんだ、と思った。自分が生まれたころにはすでにSMAPは活躍していて、小学生のころにはいて当たり前の存在になっていたので、成り立ちとか、ブレイクするまでの過程とか、インターネットで調べた文字の情報では知っていても、映像をリアルタイムで目の当たりにすることはなかった。だから新鮮だった。こんな機会にSMAPの歴史を振り返ることになるのも皮肉だけど、単純に番組の作りとしては愛が伝わってきてよかったと思うし、最後にラストステージに選べるような番組を長年続けられたことも、すごいことなのだと思う。

凝縮された歴史を振り返って、しみじみとSMAPって本当に良いグループだなあ、と思いはじめたとき、予告されていたラストに差しかかる。分かってはいたけど、現実は残酷だ、と思った。終わりは待ってくれない。夢はいつか終わる。そう言われているようだった。

色とりどりの花が散りばめられたセットで、SMAPが世界に一つだけの花を歌う。いままで何度も見聞きしてきた曲だけど、あんなに全力で歌われたあの曲を見たのは、初めてだったと思う。歌っている全員が、身体中に力が入っているように見えた。とにかくプロとしてこの場を全うしようとしている様子がうかがえて、見ていて辛くなった。こうして終わる以上は、SMAPとして最後まで居続けなければいけない、そういった覚悟が伝わってきたような気がした。

釈然としないまま番組を見終えて、寝床に入っても、さっき見た映像が、メンバーそれぞれの表情が、ぐるぐると頭を回って眠れない。アイドルとは、ジャニーズとは何なのだろう。そんなことを思わされる。

 


 

自分は嵐を応援していて、嵐はそれまで興味がなかったジャニーズの中で初めて好きになったグループなのだけれど、もしも同じような立場に立たされたら、と思うと恐ろしさすら感じる。表沙汰になっていないだけで、もしかしたら同じようなリスクとは常に隣り合わせなのかもしれない。一言で言ってしまえば、残酷な世界である。

物心ついたときからアイドルを応援してきたけれど、ここまで夢と残酷さが隣り合わせな世界だと突きつけられたのは今回が初めてで、そのきっかけがトップアイドルグループのSMAPだということに悲しさを覚えて仕方がない。勝手に、SMAPは数多あるアイドルの中で一番息の長いグループで、これからも続いていくもので、ずっとジャニーズのアイドルグループのお手本なのだと思っていたから、解散後のジャニーズの世界が想像できない。秩序が変わってしまう。

自分はアイドルを見るのが生きがいのような人間で、今後もそれは恐らくやめられないと思うのだけれど、アイドルに対しての見方は今回をきっかけに大きく変わる気がした。分かってはいたけれど、今、テレビに当たり前のように出続けてくれているだけでもありがたい存在なのだ。

SMAPというグループがこの世界に存在しなくなることが、未だに信じられない。「存在していたもの」として扱われることにも、恐らく当分は慣れない。全てが過去になってしまうということは、なんと寂しいことだろうか。

笑顔抱きしめ 悲しみすべて
街の中から消してしまえ
晴れわたる空 昇ってゆこうよ
世界中がしあわせになれ!

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今はまだ納得できないけれど、すべていつか納得できるのだろうか、と、モーニング娘。の「I WISH」の歌詞を思い出した。アイドルとは、人生だなあ。

いまこの世界で活躍されている、全てのアイドルの方々に敬意を表します。